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稲村優奈:たくさんの出会いをくれた声優にありがとう
エンジェル・ボイス アゲイン

2008/8/28

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エンジェル・ボイス アゲイン


ファミ通Xbox 360(毎月30日発売)の人気コーナー “エンジェル・ボイス アゲイン”がファミ通.comとコラボレート。誌面の都合などから、本誌では泣く泣くカットせざるを得なかった声優さんの貴重なお話の数々を完全収録。声優さんの“声のお仕事”に対するこだわりぶりを聞きます。本日のゲストは、稲村優奈さん(不定期連載第17回)。

 

【本日のゲスト・稲村優奈さん】

代表作は『こいこい7』の蝶野オトメや『ギャラクシーエンジェる〜ん』のアプリコット・桜葉役など多数。花村怜美との声優ユニット”sorachoco”も話題に。


●「レッスン大好き!」で取り組んだ養成所の日々


inamura002.jpg――声優を目指すきっかけは?
稲村 
もともと幼稚園のころは大阪に住んでいたのですが、両親に宝塚歌劇団の劇を見せてもらって「いいなあ、こういう世界」って思ったのがきっかけかもしれないです。それで、幼稚園のお遊戯会で目立つ役をやりたがったり、小学校2年生のときに文集に「将来は宝塚の女優さんになりたい」って書いたり(笑)。そして大人になるとテレビや映画に出たくて、短大に入学すると同時に養成所に通い始めたんです。

――二足のわらじの期間が長かった?
稲村 
はい。仕事があると、「仕事が入ったのでレッスンを休みます。先生ごめんなさい」という感じでした(笑)。でも、短大時代のほうがもっとたいへんでした。勉強をしながらアルバイトをして、養成所に通って……という感じで。学校に行くまえにお弁当屋さんのアルバイトに行って、そのまま大学に行って終わったらレッスン。ふつうに歩いているとレッスンの時間に間に合わないので、ダッシュで短大の最寄駅まで走って、電車を降りたあとも駅から養成所までダッシュで駆けつけて、ハァハァしながらレッスンを受けていました。いま思うとすごいパワーがあったんだなって思うのですが(笑)、とにかくレッスンが大好きだったんですね。

――声優への道が開き始めたのはいつ頃から?
稲村
 ある日マネージャーさんが「声優のお仕事もやってみない?」って声をかけてくださったんです。私の電話での声とかを聞いているうちに、私が声優に向いているかもしれないと思ったらしくて。私はそのころ声優についてぜんぜん詳しくなかったのですが、「新しい機会を与えてもらうことで、何か新しいものが見つかるかもしれない」と思って、声優に挑戦してみることにしたんです。

――最初に演じた役は?
稲村
 テレビアニメ『WOLF’S RAIN』(2003年)のミュウですね。別の役でオーディションを受けたのですが、「ミュウをやってみない?」ということで役をいただいたんです。

――それまで声優としての修行は?
稲村
 まったくしたことがありませんでしたね。役柄が決まってから収録までに半年くらい間があったので、養成所の先生にある程度声優に対する知識を教えていただいてアフレコ現場に臨んだのですが、ブースの扉が閉まった瞬間に空気がぴたっと止まる感覚があって、「私、どうしたらいいんだろう」って一気に緊張したのを覚えています。ミュウで苦労したのは「ウフフフフ」という笑いかたです。日常生活で、「アハハハ」と笑うことはあっても「ウフフフフ」と笑うことは滅多にないので、どうしたらいいのか悩んでしまったんですね。最終的には翌週の収録まで練習してくることになったのですが、ひたすら家で練習していると、母親から気持ち悪がられたりしました(笑)。でも、その後私の演じる役はなぜか「ウフフフフ」って笑う役が多くて(笑)。「ウフフフフ」は私が最初に遭遇した壁でしたが、とても勉強になりました。大きなトラウマにもなりましたけど(笑)。

――「ウフフフフ」で得たものは大きかったと(笑)。
稲村
 そのほかにも、『WOLF’S RAIN』ではアニメならでは表現方法というものを学びましたね。たとえば、アニメだとキャラが振り向くだけでも「うっ」とか言いますし、走ることで「はっはっはっはっ」という息を入れたりしますよね。ドラマだとそういう表現はしないので、『WOLF’S RAIN』の現場では、何が違うのか照らし合わせる作業をしていました。

●演技の幅を広げてくれる役柄に惹かれる


inamura003.jpg たくさんありますけど、静かなタイプの役柄だと『こいこい7』(2005年)の蝶野オトメですね。蝶野オトメはロボットで、感情を込めずにしゃべる役なのですが、ちょっとでも感情が籠ると「感情を抜いてください」って言われるような役でした。とにかくオトメは淡々と無表情にしゃべらないといけないんだということで、アフレコが始まる3分くらいまえになると、「すみません、静かになります」って言ってテンションを下げて収録に臨みました。
 あとは、『ジンギ・エクステンド』(2005年)の柊赤緒。『ジンギ・エクステンド』は私にとっても初めてのアクションもので、衝撃を受けてぶっ飛ばされたりとか、首を絞められて唸ったりとか(笑)、いままで自分がやったことのない表現に取り組んだ役柄でしたね。さすがに家で「キャーッ!」という悲鳴を上げる練習はできないので、事務所の録音室で練習をしていました。録音室の壁にぶつかって、「痛いときにはこういう表現になるのか」とか試してみたり。

――それはすごい(笑)。演技の幅を広げてくれる役柄が印象に残っているみたいですね。
稲村
 そうですね。いままでにない表現が求められる役だと、「どう表現したらいいんだろう?」ということで、やはり最初は壁にぶつかるんですね。それで試行錯誤して少しずつ演技の幅を広げていく過程が楽しいですね。蝶野オトメにしても柊赤緒にしても、ちょうどレッスンで先生にいろいろと叩き込まれていた時期で、「気持でぶつかりなさい」って言われていた時期と重なることもあり、とても印象に残っています。

――それでは最後に、今後に向けての抱負を教えてください。
稲村
 はじめ声優というのは、アニメに声を当てたりナレーションを入れたりするお仕事だと思っていたんです。それがいざ飛び込んでみると、ラジオのパーソナリティーだったり、歌を歌ったりいろいろと発信できる場所がある。「なんて素敵な職業なんだろう!」って思いました(笑)。自分が発信したものに対してファンの方に応援していただけるのはすごくうれしいことです。いろいろなキャラクターを演じられるし、いろんな方とお話しもできる。声優という仕事に対しては、「たくさんの出会いをありがとう」という感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、たくさんの出会いがあって、いろんな役を演じていけたらいいなと思っています。

取材余話


 ご存じのファンの方も多いと思うが、稲村さんは絵を描くのがものすごく好きで、オリジナルキャラを30体くらい作っているという。

 「ぽかぽか村という村がありまして、プリン君というキャラをメインにして、食べ物だったり、ロボットだったりいろんなキャラがいるんですよ。もともとプリン君は中学3年生のときに生まれたキャラで、授業中に“プリン食べたい、プリン食べたい”って落書きをしていて、“これって目をつけたらかわいいんじゃないかしら?”ということで生まれたキャラなんです。以降、いまに至るまでキャラがどんどん追加されているのですが、だいたい食べ物キャラは“食べたい”って思ったときに生まれていますね(笑)。いちご大福ちゃんとか、くりマロンとか」(稲村)

 キャラクターグッズが作りたくなって、色画用紙でしおりを作ったりしたこともあるらしい。ついには、稲村さんが出演したラジオ番組で、ぽかぽか村の世界を舞台にしたドラマまで放送されたとか。そのときはシナリオも稲村さん自身で手掛けたというから驚きだ。そして、この取材のご縁ということで、稲村さんがオリジナルキャラを作ってくれました。彼の名は“えくぼ君! Xbox 360をイメージしたキャラです。

▲ファミ通ドットコムのための稲村さんが描いてくれた新キャラ“えくぼ君”。「ゲームを遊んだみんなが百万ドルの笑顔になることからついた名前です。エンターテイナーのえくぼ君は世界中の人にXbox 360の楽しさやゲームの楽しさを広げていくのが役目o(^-^)o」(稲村)とのこと。マイクロソフトさん、Xbox 360のプロモーションキャラにぜひ!!


▲せっかくなので、稲村さん描くぽかぽか村のキャラたちを紹介! こちらは主人公のプリン君。かわいい〜っ。

 

▲シメじぃ。いかにも好々爺といった雰囲気です。


▲そして、ぽかぽか村の住人たち。


※稲村優奈さんの公式ブログはこちら

 


photograh:Daisuke Komori

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