酒井香奈子インタビュー:キャラそのものであるかのような演技をしたい
エンジェル・ボイス アゲイン
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ファミ通Xbox 360(毎月30日発売)の人気コーナー、"エンジェル・ボイス アゲイン"がファミ通.comに出張! 誌面の都合などから、本誌では泣く泣くカットせざるを得なかったコメントの数々を完全収録。声優さんの"声のお仕事"に対するこだわりぶりを聞きます。 |
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【本日のゲスト 酒井香奈子さん】 |
アニメ『REC』の恩田赤役や、『らぶドル〜Lovely Idol〜』の藤沢瑠璃役など多数。ラジオ番組のパーソナリティーとしても人気で、今後の活躍が大いに期待される若手声優さんのひとり。 |
【エンジェル・ボイス アゲイン】 |
●中学生のときに「声優しかできない!」と思った
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――声優を目指すきっかけを教えてください。
酒井 小学校から中学校にかけて演劇クラブに所属していたのですが、そのときの仲間から初めて”声優”という仕事を教えてもらい、意識するようになりました。もともとアニメとかは大好きだったのですが、それまではキャラクターをキャラクターとしてしか見ていなかったんです。それが、「あのキャラとこのキャラは同じ声優さんが演じているんだ」ということが気になり出した。演劇をやっているときは、ずっとお芝居を続けたいと思っていたのですが、”声優”というお仕事が徐々に私の中で大きくなっていったんですね。
――もともと演劇には興味があったのですか?
酒井 ぜんぜんです(笑)。クラブ活動を始められる小学校3年生のときは、ドッジボール部と水泳部に所属していたのですが、小学校4年生のときに親友に誘われたんです。その親友は演劇に興味があったみたいなのですが、まわりでほかにやる人がいなかったんですね。それからですね、演劇に目覚め始めたのは。
――演じることの楽しさを知ったのですね?
酒井 私自身は、小学校のときも中学校のときも、それほど目立つ生徒ではなくて、どちらかと言うと地味なほうだったんです。それが、舞台に立つと注目してもらえる(笑)。どんなにとんでもないことをしても、「おもしろい」ということで受け入れられる。演じるということは何でもありなんだということで、子供ながらに演じることが快感でしたね。
――そのまま声優としての道を進み始めた?
酒井 私は思い込みが激しいのかもしれませんが、中学生のころから「この仕事以外はできない!」って思ってしまったんですね。そうなると、あとは目標に向かってまい進するだけです(笑)。だから、苦しいことは何もありませんでした。専門学校には仲間もいたので、同じ目標に向かっていっしょにがんばれたし。当時は朝6時からバイトをしていたりしたのですが、少しも苦にならなかったなあ。
――いざデビューしてからはどうでした?
酒井 難しかったです(笑)。やっぱり現場の雰囲気は現場じゃないと体験できなくて、学校なりで勉強したこととはぜんぜん違う。デビューして実感したのは、自分の”声”が他人にどのような印象を与えるかということ。そういう意味では、自分の"声"というものを改めて認識したのがデビューしてからですね。デビューするまえは「しゃべりさえすれば何とかなるだろう」って思っていたのですが、実際のところはそうでもなかったです(笑)。
――自分の声の資質を見極めるのがたいへんだったのですね。
酒井 そのうえで大切だと思ったのが、キャラクターの声になり切ること。キャラクターが画面に出たときに、まさにその役柄が話しているかのように聞こえなければいけない、ということを意識するようになりました。ファンの方が、「このキャラクターはこんな声のイメージでいてほしい」って思ったら、そのイメージに自分の声を近づけていきたいです。
●10年、20年、30年と長く続けてこその声優
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――キャラクターの把握にはかなりの努力をする?
酒井 はい。ひとつの作品に関わることにしたら、その作品のことをなるべく深く知るようにしますし、その作品のファンになるようにしているんです。作品をいちばん楽しんでくれるのは当然ファンなので、その作品に対する思い入れも深い。私もそこまで達したいと思っています。そのうえで、キャラの性格だったり、しゃべりかただったり、個性なりを自分の中にしっかりと入れるようにしています。だから、ファンの方から「イメージにぴったりですね」ってほめてもらえると、本当にうれしいです。
――役者冥利に尽きるといったところですね。
酒井 最近すごくうれしかったのが、アニメ『地獄少女 二籠』できくりという小さな女の子の役をやらせてもらったことです。それまでは私の実年齢に近い10代後半の役が多かったのですが、きくりというのは幼い女の子で、いままでの役とは雰囲気も違うし、私にとっては大きな挑戦だったんですね。「酒井香奈子が演じているということがわからないようにしたい」と思って演じていたんです。いままでにない演技の幅を広げることができたので、演じていてとても楽しかったです。
――新機軸を開いたのですね。
酒井 はい。で、ものすごくうれしかったのが、アニメを見たいろんな人が「最終回を見て、きくりに感情移入して泣きました」と言ってくれたことです。セリフをもらったときから、すごくいいシーンにしたいと思っていたし、プレッシャーも感じていたんですね。だから、多くの人に感動してもらって充実感がありました。
――徐々に理想とするところには近づいている?
酒井 とんでもない。まだまだ道半ばです。小、中学生のころは劣等感の塊で、あんまり勉強もできなかった私ですが、やる気だけに支えられてここまで来られました。子供のころに心配をかけた両親には、「香奈ちゃんががんばっているのが何よりの励みになる」と言ってもらってうれしかったもしています。ただし、現場でもよく言われるのですが、声優というのは、やろうと思えば何とかなるんです。そこから先をがんばっていかないといけない。10年、20年、30年と力をつけて長くやって初めて、本物の"声優"だと言えるんです。だから、ここからが勝負だと思っています。少しでも理想に近づけるように、毎日を大切にしていきたいと思っています。
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