HOME> アニメ・声優> 井上麻里奈インタビュー :『ブルードラゴン』のアフレコは、アニメのワンクールを収録したような充実ぶり
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ファミ通Xbox 360の人気コーナー、"エンジェルボイス アゲイン"がファミ通.comでスタート! 誌面の都合などから、本誌では泣く泣くカットせざるを得なかったコメントの数々を完全収録。よりディープに声優さんの素顔に迫ります。声優さんの"声のお仕事"に対するこだわりぶりを聞く! |
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【本日のゲスト】井上麻里奈さん |
2004年にOVA『コゼットの肖像』のヒロイン、コゼット役でデビュー。ゲームファンにはXbox 360用ソフト『ブルードラゴン』の主人公、シュウ役で強烈な印象を残す。この3月には大学を卒業して、声優のお仕事のほうもますます本格化し、4月からのアニメのレギュラー番組はかなりの数に上るという。2007年2月21日には、サードシングルとして『ビューティフル・ストーリー』を発売(フジテレビにて毎週土曜日深夜に放送中のアニメ『月面兎兵器ミーナ』のエンディングテーマ)。 |
●芝居好きから始まった声優への道
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――まずは、声のお仕事を目指すようになったきっかけを教えてください?
井上 子どものころからとにかく芝居が好きで、高校生のときは仲間で集まってよく芝居をしていたんですよ。部活動というきっちりとした感じのものではなくて、本当に芝居好きの同級生が趣味で集まって、機会があれば演技を披露するといった感じ。文化祭などの行事ごとに集まって演技をしていましたね。
――そこで声のお仕事に対する興味が芽生えた?
井上 はい。そのころから"声のお仕事がしたい"とは思っていたのですが、とにかく腕試しがしてみたくて、オーディションを受けてみたんです。本当に軽い気持ちで。そしたら、運よく受かってしまって……。受かった役はOVAの『コゼットの肖像』(2004年)のメインヒロインであるコゼット役だったのですが、すごくかわいらしくて、いままで私が演じたことのないキャラクターだったんです。それで、「私がこの役を演じていいのかしら?」って心配でした(笑)。
――それが初めてのアフレコでもあったわけですよね?
井上 そうです。なにしろ私の場合、いきなり飛び込んだ世界だったので、声優業界のことは何ひとつわからなかったんですね。どういう声優さんがいるのかということから、マイクの使いかたまで、本当に右も左もわからなかったんです。だから、最初は本当に苦労しました。ただ、とてもやさしい現場で、いろいろと教えてもらいながら収録ができたので助かりました。
――演技自体はどうでした? 高校時代に培ったスキルがあるので大丈夫だった?
井上 とんでもない! 最初のアフレコのときは正直言って、何も感じられなかったです。少しでもみなさんに迷惑をかけまいと、緊張してしかたありませんでした。正直、声のお仕事をするまでは、「高校時代に演技の経験もあるし、なんとかなるだろう」って思っていたのですが、とんでなかったです。「声の演技ってこんなにたいへんなんだ」ということを実感しました。持っていたなけなしの自信も、すべてなくしてしまいました。
――実際に声の演技で難しいと感じたのはどんなところですか?
井上 自分の演技だけに集中できるわけではない……というところですよね。自分の世界だけに浸っていてはいけない。たとえば、アニメの場合だと、3〜4本のマイクをまえに、多くの人が入れ替わり立ち代わり演技をしていくわけですが、演技をしつつも自分のポジションも考えないといけないわけです。演技で感情を盛り上げていく反面、まわりを冷静に見る視点も求められる。もちろん、"うまい演技"のなんたるかすら、ぜんぜんわかっていないのですが……まだまだ道半ばです。
●男の子役には一生こだわっていきたい
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――これまでで、印象に残っている役は?
井上 高校時代の仲間との芝居では、男の子役を演じることが多かったのですが、声優になってからも、「男の子役をやりたい!」とは、ずっと思っていました。じつは、男の子を演じてみたいという思いが、声優を目指したきっかけのひとつになっています。声優だったら性別や年齢に関係なく、好きな役柄を自由に演じられるじゃないですか。それが、顔を出す芝居だったら、外見などに制約されてしまいますからね。
そんなわけで、デビューしてからずっと男の子役を演じてみたいと思っていたのですが、それが『焼きたて!!ジャぱん』(2004年)の冠茂役で実現しまして、こんなに早く夢が叶うとは思っていなかったので、うれしかったですね。女性が男の子を演じるなんて、ある種ファンタジーだし、自分以外のものになれるというのは、声優の醍醐味だと思いますね。
――では、Xbox 360用ソフト『ブルードラゴン』(2006年)のシュウ役は楽しかった?
井上 シュウは、熱血少年である意味王道の役なのですが、正直こういう役を演じられるとは思っていなかったので、オーディションに受かったときは涙が出るほどうれしかったです。うれしさと同時にとまどいと不安もありましたね。『ブルードラゴン』は超期待の新作でしたので、こんなゲームで自分がこんな大役をもらってしまってもいいのだろうかと思いました。
じつは、最初はヒロインのクルック役のオーディションを受けたんですよ。最初はテープオーディションだったのですが、シュウとクルックとジーロの掛け合いを、全員分演じてテープに入れて送っちゃったんですね。で、クルック役はあっさりと落ちたのですが(笑)、シュウ役が決まっていなくて、「オーディション受けてみない?」ということになったんです。「え、私が!?」ということで、最初はびっくりしました。熱血少年を演じる自信がまるでなかったものですから……。ただ、私が送ったデモテープは、あまり熱血少年していなくて、それが新鮮だったのかもしれません。
――実際に演じてみてどうでした?
井上 実感したのは、スタッフの方の『ブルードラゴ
ン』に対するこだわりぶりです。ふつうゲームのアフレコだと、声優さんが単独で個別に収録する……というケースがほとんどなのですが、『ブルードラゴン』では、まずはメインキャストが最初に顔合わせをしたんです。で、プロデューサーの坂口博信さんからキャラクターや世界観の説明をしていただいて、実際にある程度掛け合いで演技しました。そして、「皆さんの演技はこういう感じなんだ……」ということを理解したうえで、それぞれ個別の収録に入ったんです。そのときに、『ブルードラゴン』には、いままでの作品と違う大きなものを感じましたね。
――収録は1日で?
井上 とんでもない! ひと月に4〜5日収録の日があって、それが3〜4ヵ月くらい続きました。
――それはすごい!
井上 ボイスの量も尋常ではないくらいありましたし。しかも、『ブルードラゴン』のアフレコでは映像がちゃんと用意されていたんです。ふつうのゲームでは、映像はなくてマイクを前にしてセリフをしゃべるというアフレコがほとんどなのですが、『ブルードラゴン』では映像が用意されていて、字幕もちゃんとありました。もちろん、用意された映像は、ちょっとラフな感じのものだったのですが、絵の雰囲気に合わせて演技できました。しかも、ひとつひとつのシーンを撮るときも、事細かにシーンの説明をしていただきました。それが3〜4ヵ月続いたので、『ブルードラゴン』を終えたときは、アニメをワンクール(12話分)収録したときのような充実感がありましたね。
――心血を注いだ作品になりましたね。
井上 あと、シュウはずっと叫びっぱなしなので、それもたいへんでした。喉を使いっぱなしで、お医者さんにもお世話になりました(笑)。ここまで叫びっぱなしの収録はなかったので、ある意味『ブルードラゴン』をやることで、「自分がどこまで叫べるんだろう」という限界を知りました(笑)。「この役は『ブルードラゴン』の何割くらい」、「このくらいの叫びは『ブルードラゴン』で体験しているから大丈夫」といったふうに、『ブルードラゴン』はひとつの判断基準になりましたね。アフレコの幅も広がったし、喉も強くなりました(笑)。2006年の前半はすべて『
ブルードラゴン』に捧げたので、そのときのすべてが詰まっている作品になっています。
――男の子役にはずっとこだわっていきたい?
井上 いきたいですね。少年役がやりたくてこの業界に入ったということもあるので、ずっとこだわってやっていきたいと思います。いまは、目の前のひとつひとつの役を精一杯やっていくしかないのですが、その役が少しでも「井上の声がぴったりだよね」と言ってもらえるように、これからもがんばっていきたいと思います。
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