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 クライテリオン・ソフトウエアのゲーム開発向けミドルウェア“RenderWare”製品を導入して開発されたゲームの制作秘話をご紹介。

仮面ライダー555 ジャケット写真
『仮面ライダー555(ファイズ)』
2003年12月18日発売

聞き手:
(株)クライテリオン・ソフトウエア 営業販促部 部長 鈴木 仁さん
営業販促部 販促課 吉廣 麻子さん

語り手:
開発会社:(有)デジフロイド 代表取締役 中潟憲雄さん
販売会社:(株)バンダイ ビデオゲーム事業部 猪谷公彦さん


開発が終わられていかがですか?
中潟憲雄さん(以下、中):諸般の事情がありまして、短期間で完成させる必要がありまして、……初めてのPS2でしかも期間がない、今回実にチャレンジャブルなお仕事をさせていただきました。(笑)

猪谷公彦さん(以下、猪):ゲームを作るにあたって、いつも納期の問題がつきまとうのですが、特に、『ファイズ』の場合はオンタイムで番組が放映されながらも、放映中の一番盛り上がっている時期にユーザーさんへ届けたいと思っていました。

 開発中に未収録分の、先々のストーリーで登場するキャラクターなど、ある程度決まってる部分もあるのですが、そのキャラクターの細かなディテールまではわからないことがほとんどです。ゲームを作るにあたり、できるだけファンの方に喜んで頂けるよう、先々登場するキャラクターの(ゲーム用)モデルを作ったりもするのですが、そのキャラクターがどういった技を使い、どういう動きをして……ということまでは実際に見てみるまでわからないのです。

ゲーム画面 ゲーム画面

 ですので、モデルはできあがっていても完成したゲームに組み込まれていない、出すに出せないキャラクターもいたりして、心残りに思うこともあります。これは多くのオンタイムで放送しているキャラクターゲームにつきまとう悩みであると思います。毎度毎度、「この設定までは入れたい、このキャラまでは出したい……」というようなジレンマがつきまといますね。

中:ただ、ミドルウェアを使うことによって、開発効率がよくなる部分が多分にありますので、そういった意味では、開発難易度が高くなっても、かなり旬のキャラクターまでを入れ込むことができるようになったのではないでしょうか。

RenderWare(レンダーウェア)使用時の開発におけるメリットやデメリットは?
中:前作、プレイステーション(PS One)用『仮面ライダー龍騎』では、自前のゲームエンジンを使っていました。その理由として、そのゲーム(1ラウンド)中に使われる4体分の全モーションデータを一回の読み込みで取り込み展開する必要があったんです。当然、格闘ゲームでは、ゲーム中に読み込みすることは絶対にあってはなりませんから、大量のモーションデータをメモリに格納することになります。

ゲーム画面 ゲーム画面

 今回の『仮面ライダー555(ファイズ)』では、当初、RenderWareの力だけでコアとなるアプリケーションまで作ろうと進めていました。実際、他のデベロッパーさんは、RenderWare内でゲームを完結させることが多いと思います。しかし、今回のゲームをRenderWareだけで完結させようとすると、ゲームの性質上、モーションデータが入りきらないという問題が生じまして。結果としては、『龍騎』の時の格闘ゲームエンジンと、RenderWareの描画部分を合体させ、その上で制作を開始しました。ただ、この問題に決着がつくまでに結構時間を要しました。それから地獄が始まりました(笑)。

 我々の場合、自社技術との併用ということで苦労がありましたけど、RenderWareの持つ自由度の高さとクライテリオンさんのサポートのご協力もあって、完成させることができましたね。

猪:特撮番組の視聴者って3才〜6才の小さいお子さまたちが中心です。それプラス中高生、さらにここのところお父さん、お母さん方も一緒に番組を楽しまれているケースが多いようです。これは、『ライダー』が二世代キャラになってきているということで、ユーザー層として見ると、広がりをみせています。

 去年までは、PS1でのリリースだったためもあり、そういったマーケットの中で、ゲームとして楽しめるモノを考えるのですが、メインであるお子さまにまず熱中してもらえる、取っつきが良くて、最後までクリアできる内容、という部分に比重を置いていました。

ゲーム画面 ゲーム画面

 しかし、今回、プラットフォームがプレイステーション2に移ったことで、もう少し高い年齢層にもアピールしたいという考えになってきました。従来の子供達にとっつきがよく、かつ、ゲームファンにも満足頂ける内容というのを考えた末のアイデアとして、まず、子供達が楽しめる操作の簡単な"連打システム"という部分を作り込みました。結果によってバトルの勝ち負けを左右するようなシステム上の演出が入りつつも、それ以外の通常のアクション部分において、実は『ファイズ』だけでもコンボで8連決まるとか、10連決まるとか、そういった攻防の部分も力を注いでいます。ある程度アクションゲームファンまで楽しめる要素をプラスしています。その部分がアピールポイントなのかなぁ、と。

 また、1人で遊ぶ時の難易度設定で、普通、弱い、強いの3段階を選べるようにしてあります。普通のレベルでも多くのプレイヤーの方がクリアできるように作っています。しかし、3段階の難易度設定はかなりの触れ幅がありまして、普通でクリアできない方でも弱いならば、よほどのことが無い限りクリアできるように作っています。そして、強いでは、硬派なアクションゲームファンにも楽しんで頂けるかと思います。

中:同様に、親子で対戦プレイを楽しむ際、ハンデを大幅に付けられるように設定してあります。お父さんが"弱い"、子供が"強い"ならば、子供側のパンチ一発のダメージがかなり強烈なものとなるんです。お父さんもホンキで闘わないと負けてしまうんですよ。

キャラクターの動きについて
猪:ライダーは、その個性的なアクションが魅力のひとつなのですが、今作では、動きが本物っぽいというか、番組でアクションをしているモーションアクターさんたちの動きをキャプチャーしていますので、かなりリアルな動きが再現できたのではと思っています。

ゲーム画面
中:また、ポリゴンモデルのディテールに関しては、RenderWareのリフレクションやスペキュラーなどを使って、よりリアルに表現できました。そこはとにかく一番のこだわりどころでしたから。先ほども申し上げたんですけど、PS2を最初に手がける時には皆そうだと思うんですけど、ライブラリー作成に時間がかかります。今回レンダーウェアが無ければ、この期間での完成はあり得なかったですね。

ゲーム開発者として、ミドルウェアの必要性など
中:ゲームはもともと、何を楽しませたい、どこを楽しませたいかという部分がありますよね。ファミコン、8bit機の頃に出ていたゲームって、今でも面白いゲームはいっぱいあって、僕なんかは『インベーダー』とかの世代なんですが(笑)、今でも十分楽しめるんですよね。当時、新しいメディアだったというのもありますが、純粋に発想できて、面白いアイデアをゲームに流し込めた時代だったなぁと。

ゲーム画面
 ぼくらの仕事は「面白い発想、アイデアをゲーム化して、楽しませたい」という想いがあります。しかし、ゲーム機のハードを制御するためにはその前にやらなければならないことが満載です。これはゲームを作る本筋では決して無いんですよね。ですから、ミドルウェアというものがあって、システムやエンジン部分の開発を少しでも軽減できて、ゲームを面白くするという本筋の部分に時間を割くことができる。これが重要なポイントだと思いますね。

猪:このところ、ゲーム業界の流れ的に、開発難易度が上がってきているという状況がよくいわれていますよね。今回のPS2版もそうなんですけど、基礎研究であったり、ゲームそのものの一番コアな部分をつくるところが最もコストの高くなる部分です。ミドルウェアを採用することで、クリエイティブでない制作作業負荷を軽減し、クリエイティブな、ゲーム本編であったり、内容的な部分に時間を割り振ることができる。短期間で、ある一定のクオリティを実現して、その上でオリジナリティへ一歩踏み出せる。そういった部分が開発者側としても、ユーザーとしても一番のメリットかな、と思います。

中:もちろん、もっと時間があればゲームをより面白くすることができる、というのは事実ですが、プロとして納期内に、一定のクオリティの商品を提供するという使命もありますから、そういった意味では大変助けて頂いたと思いますね。

クライテリオン鈴木:ゲームって……特に国内は最近元気ないですよね。ぼくらは海外に負けたくないな 、って思いがあって。会社自体の売上を伸ばすだけではなくて、日本製のゲームがどんどん海外に行くような。昔はそうでしたよね。

 最近のゲームって技術的なところで開発コストが高騰してしまう。その上予算も削られる。でも、新しいハードとかが出てきても、ゲームって根底から変わるものではないと思うんですよ。みんなが、余計なところにお金をかけずに、思い切って企画に注力できるような、そんな環境を提案できれば良いなと思っています。

お2人にとってゲームとは?

中:キャラクターゲームを作る立場として、今の子供達に昔の時代にあったキャラクターを何かの形で伝えたいという思いがあります。レンタルビデオで当時のものを見ても、当時の技術でつくられたものですから、子供にそのワビサビみたいなものをわかれ、というのも難しいですよね。しかし、ゲームなら自分が能動的に追体験でき、そのテーマを浮き彫りにできる。過去のヒーローを今の子供達に、お父さんは懐かしいキモチで親子で一緒に楽しめる。きちっとしたかたちでゲームとして残していきたいという想いがあります。

猪:自分が仮面ライダーになりたかった……そういう思いは男の子なら誰しも思うことですよね。それをゲームという場を借りて実現しているつもりです。弊社から、変身セットとかキャラクター玩具も発売されたりしていますが、ゲームもキャラクターを中心とした展開の1つと考えていまして。画面の中のキャラクターに"電子的になりきれる"感覚を実現できる媒体なのかなと。画面の中でキャラクターになりきる楽しみ方と、ゲーム性とを両立するという部分。これは昔も今も変わらない課題ですね。その差は、永遠に続く追いかけっことも思うのですが、これを両立させることが理想です。

 これからも『仮面ライダー』に限らず……まだ言えないこともあるんですけど、引き続きゲームを発表していきたいと思っています。ご期待下さい。


仮面ライダー555(ファイズ)
(C)2003石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
(C)BANDAI 2003

関連リンク:
仮面ライダー555(ファイズ)
http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/kamen555/

クライテリオン・ソフトウエア
http://www.criterion.co.jp/

デジフロイド
http://www.digifloyd.com/
 
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