第4回 成功を共有できることがクリエイターの醍醐味だと思います!8月28日更新
●前回までのお話を踏まえたうえで、各職種の醍醐味とはどんなところなのでしょうか?
石川さん:原点にあるのは、“自分が書いたプログラムで思い通りにゲームが動く”というところですね。うまいプログラムが組めたときの快感、というのでしょうか。ただ、大規模なゲームのプログラムでは、なかなか体感することが難しいかもしれませんね。また、使いやすいシステムやゲームの表現をひろげていけるものを作って、それを使って快適にゲームをプレイしてもらえればうれしいです。プログラマーには、そういう充実感があると思いますね。
高山さん:普通のイラストレーターと違って、描いたものが想像つかない状況で使われたりすることですよね。背景とか台詞の組み合わせで、想定と全然違うものになったりするんです。そこはは本当に新鮮で、共同作業ならではの面白さと言えますね。ただ、絵を描いている人はみんな同じだと思うのですが、反省点の方が多いんですよ(苦笑)。描き上げた瞬間には「いいものができた!」と思っても、1時間すると修正したいところが出てくるんです。1日経過したらさらに修正したくなり、1週間、1ヵ月経過すると我慢できなくなってしまうんです。でも、そこで修正するとキリがないので、「次はがんばろう」というエネルギーに変えて仕事に臨んでいます。
杉山さん:みんな、“自分のゲームを作りたい”からクリエイター、特に企画職を目指すわけじゃないですか。だからやはり、企画が通った瞬間が本当にうれしいですよね。もちろん、完成したときやユーザーさんから反響があったときもうれしいです。それからファンの方々との出会いもそうですね。『キミキス』は恵まれた企画で、みんなが協力してくれたから成功しました。企画の根本は“キス”を思いついたことがスタートなんですが、このへんの詳しいことは発売中の『オフィシャルコンプリートガイド』を読んでいただければと思います(笑)。社長賞もいただきましたし、こうした成功を共有できることもクリエイターの醍醐味だと思います。作業中はそれこそ大変で、みんなで遠洋漁業に出るという感じでしょうか。「今回は『キミキス』丸に乗るぞ!」みたいなイメージです(笑)。
●今後の業界展望と、クリエイター志望者がそれに対応するにはどうしたらいいか、ヒントをお願いできますか?
石川さん:次の時代に移り変わっている最中ですから、難しいですよね。ただ、ゲーム制作は今以上に大規模プロジェクトと小規模なプロジェクトに分かれていくと思います。だから、学生さんには自分のスタイルにあった開発体制を持った会社を見つけてほしいですね。開発の形態も社風もさまざまですので、よく調べて自分のタイプと照らし合わせてください。調べて知っていかないと、対応もできませんからね。
高山さん:一時期、2Dから3Dになって、色数をやたらに使っている時代がありましたよね。「使えるから使っちゃえ」という安易な空気でした。でも、最近の作品では使う色数は落ち着いています。必要最低限で、わかりやすいものを作っているからです。その流れで考えると、グラフィッカーの仕事としては以前ほどの大きな違いはないでしょうね。また、ゲーム自体はどんどん複雑になっていきましたが、逆にその反動でシンプルなものも好まれたりしていますよね。学生さんに覚えてほしいのは、“使えるから詰め込む”のではなくて、取捨選択して表現することです。それが時代に対応するポイントではないでしょうか。また、すでにインターンなどで働いているのであれば、残業代が出る出ないとか関係なく、とにかく仕事をして覚えることですね。「勉強ができて給料がもらえるなんて、なんて幸せなんだろう」と思える人でないなら、ゲーム業界には入らない方がいいですね。
杉山さん:“新しいソフト”が少なくなっているので、続編でない作品が多くなると業界が元気になると思います。だから、今勉強している人たちにも新しいものをどんどん考えてもらって、未来を背負ってもらいたいですよね。“自分の作りたいものを作る”というのは、職業になると難しい部分もあるんです。ちゃんと売れるものを作らないと、商売としては失格ですから。しかしそれでも、クリエイターであれば“コレで自分が遊びたい”と思うものを生み出すことが大事です。逆に、“売れそうだから”というだけで自分が遊びたくないものを企画しても、受け取ってくれたユーザーさんには響かないと思いますから、バランスが難しいですけれどね。自分自身の話だと、毎作品毎作品で目標を達成し、夢を叶えているんです。自分の夢が叶って、受け手はよろこんでくれるわけですから、一生をかける職業として本当に価値があると思いますね。
●ありがとうございました
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